(写真集あとがきより)


『Once in a Blue Moon』


ジェントルだけれど決して甘くはない街 ロンドン。
そこに生きている人々の誇りが街に形を与えています。

まだ冬の香りを残した3月のロンドンは、とても静かな光に彩られていました。

ほの暗い闇の中から見えた光。
静かに溶けるその光が知らせてくれたこと。
光と闇の中に淡く染まる人の気配が教えてくれた街の佇まい。

私はこの日常の光を集めたその先に「まれなこと」が見えてくると思いました。

かすかな人の気配を残す街のポートレート。
私は、この街のポートレートを撮るように、その佇まいを優しく閉じ込めてあげることができればと感じました。

この街が持つ全ての光を集めたその先に秘められたもの。
その先にあるはずの「ごくまれな」物語を私は紡ぎたかったのです。


それは、Once in a Blue Moonに包まれたロンドンの物語。



内藤さゆり